緊急車両が近づいた時の対応法

大原則:緊急車両が近づいてきたら邪魔しないように走行する

バイクであろうと自動車であろうと、救急車やパトカーなどの緊急車両が近づいてきたら邪魔しないように停止、または走行するのが、車両を運転する者としての大原則です。
しかし都心部など、車両・バイクの通行量が多いエリアではなかなか難しい面もあります。
ライダー・ドライバー本人は邪魔しないように停止・走行する気があっても、周囲の車道・交通の状況によってはなかなか難しい面もあります。
ですから、緊急車両が近づいてきたときにはどう対応すればいいのか、基本的な知識を踏まえた上でどんな状況でも適切な対応ができるよう備えておくことが重要です。

バイクの場合は、比較的対応しやすいといえます。
小回りがききますから、自動車のように前後の車に挟まれて身動き取れなくなる、結果的に緊急車両の通行ルートを塞いでしまうといったリスクが起こりにくいのです。
しかし一方で、小回りがきくからこそ注意したい面もあります。
なぜなら、自動車とは違い不用意に停止・走行するとライダー自身が危険な状況に身を晒してしまう恐れもあるからです。

緊急車両が近づいてきた時のバイクの対応としては、交差点の近くにいるかどうかがまずひとつのポイントとなります。
緊急車両が来る前に交差点を通過してしまおう、とは考えず、必ず手前で止まるようにしましょう。
これは車でも同様ですが、交差点の曲がり角などで中途半端に停車せざるを得なくなってしまった場合、他の車と衝突するリスクが生じるのでとくに注意が必要なのです。

なお、交差点に進入しているときに緊急車両が近づいてきたら止まらずに通過しましょう。
これも先述したように、中途半端な場所に停止すると危険だからです。

交差点近くではない場所で緊急車両と遭遇した場合には、バイクを左側に寄せて道を譲ります。
車道に十分な幅があり、緊急車両の通行に支障をきたさないことが確実な場合には、左側に寄せた状態で走行しても問題ありません。
ただし、その際には歩行者の飛び出しや車道を走る自転車に十分注意しましょう。
車の通行量が多い、または車道に違反駐車がある場合には、無理せずに停車したうえで緊急車両が通過するのを待った方が安全です。

もし緊急車両の通行を邪魔してしまったときには罰則が生じます

緊急車両が来たら速やかに道を譲って通過させるというルールを、残念ながら守らない人もたまにいます。
このように緊急車両の邪魔をしてしまった場合には「緊急車妨害(一般道路)」または「本線車道緊急者妨害(高速道路)」が適用され、反則点数1点と6000円の罰金が課せられます。
急いでいるからといって緊急車両を無視する、または無理に走行して結果的に妨害する状況に陥るようなことがないよう気をつけたいところです。