バイク乗りの挨拶ヤエー

ヤエーとは

バイク乗りの間には、自動車を運転している人たちの間にはない共感、あるいは親近感といったものがあります。
ツーリングの名所スポットにはライダー達が集まるカフェが必ずありますし、こういった場所で役に立つ情報を交換できるのもライダーならではの特色です。
ほかにも、バイク乗りの間ではハンドサインというものがあり、手の動きによって意思の疎通を図ることができます。

ハンドサインの中でも特に普及性が高いのは、左折や右折、停止などを意味するものです。
例えば左折では左手をまっすぐに横に伸ばし、手の平を下に向けます。
バイクは右利きの人が操縦していることを前提としているので、右折の場合には右手を出さずに、左手を90°に上に曲げて手の平を右にして後続車に知らせます。
また、左手を伸ばし手の平を後ろに向けると、「停止」の意味になります。

左手でピースサインを作ると「ヤエー」の意味になり、バイク同士がすれ違った時の挨拶として使われます。
ヤエーという言葉の語源ははっきりとしておらず、映画に出てきたわけでもなく、小説でヤエーが使われたわけでもありません。
一番有力な説は、ネットの掲示板2チャンネルで「ピースしようぜ!」というスレッドが立てられた時、投稿者が「Yeah!(イェーイ!)」と投稿するところを「Yaeh!(ヤエー!)」と間違えてしまい、これがウケて「ヤエー!」が連発されるようになったということです。

コミュニケーションとして広まる

「Yaeh!(ヤエー!)」が2チャンネルに初めて登場したのは2003年9月のことで、以来、若いライダーを中心にヤエーがコミュニケーションとして広まったという説が優勢です。
その後TwitterやYouTubeが登場すると、ヤエーの人気はあっという間に広がり、SNSや動画サイトで評判になります。

ヤエーには「ライダー同士の安全な運転を祈願する」「ツーリング集団を地元のライダーとして歓迎している」「同じライダーとしてツーリングを楽しもうよ」などの意味が込められていると言われています。
ヤエーはあくまでも軽い挨拶であって、義務や強制とは無関係なので、走行中にすれ違うライダーからヤエーをされたからといって、無理に返す必要はありません。

不快に思う人もいるので注意

ヤエーをするためには、たとえ瞬時であっても片手運転をしなければならないため、危険だと考えるライダーも沢山います。
ヤエーに関しては不快に思うライダーもいるので、ツーリング中でもあまり固執しない方がいいかもしれません。
せっかくヤエーのサインを出したのに相手のライダーに応えてもらえず、エスカレートして派手な手振りをするライダーもおり、安全運転の点からいうと危惧される部分も多いのです。